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髪悩みに着目したヘアスタイルの持続力向上に関する技術を開発

2023.04.19

株式会社b-ex(ヨミ:ビーエックス、本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:福井敏浩、以下b-ex)R&Dセンターは、髪の悩みに着目し、様々な観点から「持続力」に関する研究を行い、ヘアスタイルの持続力に優れた効果を確認しました。b-exではこれらの知見を今後の製品開発へ応用してまいります。

研究背景・目的

ヘアスタイルのトレンドは時代とともに変化し、近年では、ハイトーンカラーやパーマ需要の高まりから、スタイリング剤にもケア効果を求められるようになりました。また、ハイトーンカラーなどによる毛髪のダメージによって、せっかく作ったヘアスタイルが持続しないといった悩みも多く聞かれます。そこで「パサつき」や「1日スタイルが持たない」といった悩みを解消し、ヘアスタイルの持続力向上のための処方技術と評価技術を開発しました。

研究の成果

1.オイルが全体にいきわたる均一塗布性の効果と指通りの持続力について

①均一塗布性の効果について

♢検証方法

開発品Aはミストタイプのオイル剤型。滑らかな質感の油剤を使用していること、更に毛髪に直接噴霧することができるアイテムであることから、毛髪に均一に塗布できる可能性に着目しました。色素により着色した開発品Aを毛髪に直接噴霧する場合と手に取り毛髪になじませる場合で付着状態を目視により観察を行い、今まで見えていなかった毛髪への塗布状態を観察することができました。

♢検証結果

 ミストによる直接噴霧の場合、手に取り馴染ませるよりも毛髪全体を着色させており、均一に塗布出来る新たな知見を見出しました。(図1)滑らかな質感の塗り広がりやすい油剤を選択していること、ミストタイプにより微細な液滴として毛髪に付着することで、全体にいきわたりやすくなると考えられます。

② 指通りの持続力について

♢検証方法
実使用を想定し、使用中の指を通すタイミング随所においてクシにかかる荷重を測定しました。更にドライヤーによる乾燥から一定時間経過後も測定を行うことにより、使用前から使用中、使用後まで感じられる指通りを数値化しました。

♢検証結果
未使用(ウェット時)では最大荷重が最も高く、クシ通りが悪いが、開発品Aの使用により改善、さらにその効果が1日中持続することを見出しました。(図2)毛髪1本1本をコーティングすることで、日常のダメージ(ドライヤーなど)からも髪を守り、さらさらと指通りの良い質感が1日中持続する最適な剤型といえます。

2. 毛髪の広がりを抑制し、持続する効果について

♢検証方法

くせ毛を使用し、高湿度下※に一定時間静置することで広がった毛髪を再現しました。その後、室温に移し経時変化を確認しました。毛髪の横幅を画像解析することにより算出し、毛髪広がり抑制効果とその持続力が評価可能となることを見出しました。

♢検証結果

エマルジョン型の開発品Bを使用することにより毛髪の広がりを抑制する効果がある事がわかりました。さらに、毛髪広がり抑制効果は6時間持続することも新たな知見として得られました。(図3)

また、開発品Bは水と油剤の配合比率を最適化していることで、毛髪に最適なまとまりを与え、使用から6時間後、例えば「眠っている間」や「翌朝まで」持続するという実使用に沿った持続力があることを確認しました。

3.毛髪水分量の持続力について

♢検証方法        

オイル剤型の開発品Cを処理した毛髪を一定時間室温にて静置後、水分計を用いて二次蒸散水分率を測定しました。

♢検証結果

開発品Cを使用することで、室温静置5時間経過後でも未使用と比較して毛髪水分量が高いことが分かり、その持続力があることを見出しました。(図4)本結果により、開発品Cは使用直後だけでなく、使用後も毛髪水分量の高い状態を持続する新たな知見を得ました。これは、エステル油と植物油の配合比を調整した本処方ならではの毛髪のコーティング力によるものと推察しています。

4. スタイリング持続力について

♢検証方法

ジェル型の開発品Dによりスタイリング処理を施した毛髪を用い、高湿度下※におけるスタイリング持続力を検証しました。パーマスタイルにも開発品を使用できるよう、パーマ処理毛に対してもスタイリング持続効果を検証するための新たな評価法を開発。雨の日を再現してスタイリング持続力を評価しました。

♢検証結果

開発品Dを使用することで、パーマ処理毛のスタイリングが高湿度下※においても1日中持続していることを確認しました。(図5)ポリマーと保湿剤の最適化によりパーマスタイルを活かすフレキシブルなセット性を有しており、本評価法により、雨の日や風が吹いている日常におけるスタイリング持続力があることを見出しました。

5.毛髪の広がり抑制とつや感の持続力について

♢検証方法

前述の【研究の成果2】と同様の方法で試験を行い、スプレータイプのオイル型という開発品Eの特長上、高湿度下※にて経時変化を確認しました。

♢検証結果

開発品Eを使用することにより毛髪の広がりを抑制し、24時間持続することが新たな知見として得られました。(図6)エステル油とシリコーン油の適切なバランスを制御することにより、雨の日でも毛髪の広がり・うねりを1日中抑えることが可能となりました。また、開発品Eの使用により、毛髪表面が整い、つや感アップが期待できます。

6.雨や風にも強いスタイリング持続力について

♢検証方法

ウィッグの前髪にスプレータイプのセット樹脂配合型の開発品Fを用いてスタイリング処理を施した後、ドライヤーにより風を与え、スタイリング持続力があるかを評価しました。

♢検証結果

図7に示す通り、開発品Fを用いることにより、風が吹いても前髪が1日中崩れないことを確認しました。配合しているポリマーの組み合わせにより剛直なセット性を有しており、本評価法により、風が吹いている日常におけるスタイリング持続力があることを見出しました。また、高湿度下※においても同様の結果が得られており、雨風に対応できる処方であると考えられます。

【参考情報】

※ 高湿度下:湿度80~90%

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