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Interviewテーマ:ブランディング (男性スタイリスト編) Vol.7

“今、最も知って頂きたい美容師様” の
美容師キャリアを大公開!
~わたしの7ルール~

テーマ:ブランディング (男性スタイリスト編)
/Vol.7 
「ブリーチ無しの透明感カラー」で
リブランディングし、新たな顧客を獲得
『NICOLA』代表 
ササザキ ヒデトシ Sasazaki Hidetoshi
ササザキ ヒデトシ
Sasazaki Hidetoshi

『NICOLA』代表。
1984年3月4日生まれ。長野県出身。
長野県松本市内2店舗を経て、2016年9月、
『NICOLA』をオープンし、現在3店舗展開中。
当初よりSNSに力を入れ、オリジナルメニューを
駆使してお客様とパーソナルに関わる。
月間指名売上260万円を達成するなど、
多くのお客様から高い支持を集める。
デザインカラー全盛期にあえてブリーチ無しのカラーにチェンジし、 オリジナルカラーで高い評判を得たササザキさん。
SNSをうまく活用した、 カラーを軸としたブランディングの極意を
お聞きしました。
Topic
1
「ブリーチ無しの透明感カラー」を打ち出して、他店との差別化に成功
『NICOLA』(ニコラ)=サンタクロース。ハッピーを届けるサンタクロースにちなんで、人に何か伝え届けることがモットー。「ライフスタイルに寄り添う美容師集団」をコンセプトに、カラーや髪質改善を武器に展開している。

『NICOLA』オープン当初はデザインカラーも大きく打ち出していたのですが、他店と差別化するのが難しいと感じていました。最初はスタッフも少なく、ブリーチをすると施術時間が読みづらかったこともあり、ブリーチしないカラーを推し、ターゲットを変えたんです。“シンプルの美”を追求することで、リピートしてくださっているお客様の髪への負担を軽減することにもつながったと思います。とはいえワンカラーだけだとお客様も飽きてしまいますし、色みや透明感の限界も感じていたので、ブリーチ無しのワンカラーを2回施術する「ダブルシェードカラー」というメニューを考案しました。

「ダブルシェードカラー」は具体的にどのような施術をするのですか?

最初に12~13レベルまで上げて流し、2回目に9レベルくらいの濃いめの色を入れるのですが、こうすることによってワンカラーよりも圧倒的に透明感が出ますし、彩度や明度もきれいに出ます。ダメージもブリーチするよりかなり少ないですし、2回色を入れているので色持ちもいいんです。これを『THROW』で施術しているのですが、お客様からとても好評で、中には『THROW』でカラーしてほしいと明確におっしゃる方もいます。僕はブルーやグリーンのアクセントカラーをベースカラーに30%くらいミックスして使うことが多いのですが、色が濁らずしっかり色みが入るので愛用しています。この「ダブルシェードカラー」を集客サイトに載せておくと、まだ体験したことがない方からも予約が入ります。ネーミングの力に引き寄せられ「なんとなく良さそう」と思ってもらえるのかもしれませんね。

Topic
2
ブログ、Instagram、YouTubeを駆使して集客やスタッフ教育に活用
『NICOLA』をオープン後、パーソナルサロンの『milk』、カラー特化型サロン『WHITE』をオープン。それぞれ異なるコンセプトで展開しようと思ったのは?

『NICOLA』は髪質を大事にしながら透明感のあるカラーを打ち出す、短時間でハイクオリティなカラーが売りのサロン。『milk』は2席しかない個室感覚のサロンなので、子どもがいる主婦の方から好評を得ています。『WHITE』はデザインカラーを得意とするデザイン重視のサロン。たとえば僕が『NICOLA』でカットしたお客様がその足で『WHITE』に行ってデザインカラーをする、ということもあります。それぞれの店舗の特長を出して、お客様の細かいニーズに合わせる目的なのですが、お客様も今の気分に合わせて行く店舗を変えることができるので、楽しんでいただけていると思います。


オープン当初からSNSによるブランディングに力を入れているとのことですが、どのようなことをされているのですか?

『NICOLA』オープンにあたり、まずはブログを書くことを始めました。また、Instagramはオープンからずっと、1日1~2回の投稿を続けていて、カラーがメインですが最近は髪質改善に関する投稿もしています。

スタッフに対しては強制はしていませんが、毎日ブログを書いている人もいて、それなりに成果が出ているので、指名を増やしたいなら続けたほうがいい、やった人しか成果は出ない、といつも言っています。また、YouTubeでは髪の乾かし方やシャンプーの仕方、スタイリングの仕方などを実際にスタッフがやって見せる動画を投稿しています。こうするとお客様が家で復習することができますし、スタッフ全員で同じ内容の説明ができるメリットもあります。ハイライトの入れ方や縮毛矯正のアイロンの入れ方などの教育用動画もYouTubeに投稿し、スタッフがいつでも見られるようにしています。限定公開ではないのでお客様が見ることもできるのですが、プロがどんな努力を重ねて技術を習得しているかを見てもらうのもいいのではないかと思っています。

カラーのスタッフ教育はどのようにしていますか?

僕は現場で教えることを大切にしているので、レッスンも毎日行っていますが、ウィッグで100%できてから次に進むというより、ある程度できるようになったら先輩について入客し、施術をサポートする過程で育ってもらうことを大事にしています。カラーは同じレシピでも人によって同じ色にはなりません。なので実際の現場で色々なパターンを学びながら成長してほしいと考えています。「ダブルシェードカラー」はワンカラーを2回施術するだけなので特殊な技術はいりません。失敗も少ないですし、全員で勝負ができるメニューを作ることも大切なことだと思っています。

Topic
3
異業種とのコラボで、たくさんの人に
色々なことを「伝え届ける」サロンに
b-ex journalのライターとしても活動されていますが、やってみていかがですか。

記事を見て来てくれるお客様がいるので、それは本当にうれしいですね。新規の方も既存客の方も、僕のカラーの記事を見て参考にしてくれています。ですので、お客様の写真をなるべく撮らせていただいて、実際のサロンワークを意識して書くように心がけています。文章を書くのは大変ですが、ブログをずっと続けてきたことが役に立っています。

最後に、今後の目標を教えてください。

店舗を増やすというより、スタッフ1人ひとりの指名を大事に考えていきたいと思っています。コロナで休業した時、指名があればお客様が帰ってきてくれることに気づいたんです。また、他業種とのコラボも色々考えています。今、タロット占いの方とコラボしたり、ヨーナ絵(アクリル絵の具でオーラを絵にすること)や整体、小顔矯正のイベントを店内で行ったりしています。お客様にもスタッフにもいい刺激がありますし、お互いにお客様を呼び合うこともできるので、たくさんの人に色々なことを「伝え届ける」仕掛けをしていきたいです。

ササザキ ヒデトシさんの「7ルール」
オーナーでも必ず現場に立つ

オーナーだからという理由で出勤を遅くしたりせず、みんなと同じ時間に来て帰ることを大事にしています。スタッフとは美容師と美容師という立場で関わりたいんです。それでお互いに成長できればいいなと思っています。ハサミはずっと持ち続け「オーナーだから」というフレーズは使わないでいたいですね。

やらないことを決める

美容師はトレンドを追う仕事なので、つい、やることを増やしがちです。全部やろうとすると全部が中途半端に。カラーも何でもやると他店と変わらなくなります。うちはミーティングも一切せず、レッスンは朝のみ。食事会で仕事の話をしないなど、やらないことを決めるとやることが明確に絞られてきます。

週1回、スタッフ全員と10分面談

毎週日曜の朝に、幹部スタッフ2名と一緒にスタッフとの面談を行っています。面談シートに今週の目標、実際に行動できたこと、感謝とファインプレー、この3つを書いてきてもらい、発表してもらいます。これによって問題を長期間放置せず、スタッフの成長を促すことができるようになりました。

サロンワークでは、巻き込みトークを必ずする

お客様、スタイリスト、アシスタントの3人になった時は、必ずアシスタントに会話を振るようにしています。アシスタントは自分からは会話に入りづらいので、僕のほうから声をかけ、僕のお客様に全スタッフを知ってもらうようにしています。こうするとアシスタントがデビューする時にも役立ちます。

店舗やプロジェクトは任せ切る

出店するから人を集めるのではなく、いい人がいるから出店するというスタンスなので、その人が活躍できる場について僕は口を出しません。経営は僕がバックアップしますが、内装や運営などは任せ切るほうがその人の成長になりますし、ある程度のプレッシャーも必要なことだと考えています。

終礼は必ずファインプレーで終わらせる

終礼=反省、というのが普通だと思いますが、1日の終わりに先輩から怒られると、反省しつつも気分は落ち込むもの。怒っている先輩たちは気分が良くても後輩たちにメリットはありません。反省点はサロンワーク中に言うことにし、終礼では感謝とファインプレーを言い合い、全員でハイタッチしています。

とにかくお客様の声を大切にする

美容師がやりたいこととお客様が求めていることにギャップを感じることがありますよね。自己満足ではなく、お客様の求めることに耳を傾けて、メニューや施術内容を考えるようにしています。カウンセリング中や施術中に聞こえてくるお客様の言葉からヒントを得て、サロンワークに生かすことを大切にしています。

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